ヘッド角が付いているネックに多く見られる、トラディショナルなトラスロッドの調整用6角ナットを回すために使用する工具がパイプレンチです。その形状が喫煙具のパイプに酷似しているところから名付けられた工具で、6角ナットがぴったり収まるようにレンチ側も同じく6角形になっているものが一般的です。ギターやベースではESPでも使用している対辺8mmのものが一般的なサイズです。
トラスロッド調整時に便利な工具であるパイプレンチですが、調整部の形状や6角ナット位置などにより、実際の調整時に思うようにレンチが嚙み合わなかったり、微妙な調整が困難な場合がありました。そこで、ソケットレンチなどに見られるようなレンチの内側を12角にすることで、従来の6角レンチでは困難だった位置での嚙み合わせや、微妙な調整が可能になりました。まさにプロツールです。
12角は6角のようにナット形状にぴったり合う訳ではなく、ナットの角部分を捉える形状の為、ナットの角がなめて丸くなっているものや、極度に力が掛かる場合などには不向きですので、調整する楽器によって使い分けることをおすすめします。